©2019映画「愛がなんだ」製作委員会
「愛がなんだ」(2019年4月19日公開作品)
半年前。たいして仲の良くない友達の結婚式の二次会で、“パーティーになじめない者同士”として出会った山田テルコ(岸井ゆきの)と、田中マモル(成田凌)。猫背で痩せた冴えないマモルの“綺麗な手”に惹かれただけのテルコだったが、気付けばどっぷりと恋に落ちていた。
それからのテルコの日常は、“マモちゃん”のためだけに存在する。金曜に連絡をしてくることが多いマモルに合わせ、ひたすら携帯が鳴るのを待ち、会社で時間を潰す。心ここにあらずのテルコの勤務態度はボロボロで、当然上司からきつく注意されるが全く意に介さない。ある日熱が出たからと呼び出され、かいがいしく手料理をふるまうも、深夜に突然「そろそろ帰ってくれるかな」と不機嫌に放り出される。そんなテルコに唯一の親友=坂本葉子(深川麻衣)は呆れ、「悪いこと言わないからやめときな、そんな俺様男」と助言するが、もちろんテルコは聞く耳を持たない。葉子は葉子で、年下のナカハラ(若葉竜也)をいいように使っており、テルコは密かに彼に自分の姿を重ねている。
出会って間もない頃は「テルちゃん」と呼んで、頻繁に連絡してくるマモルだったが、いつの間にか「山田さん」と他人行儀な呼び方に変わった。それでも久しぶりに会うマモルは先日の不機嫌な態度が嘘のように優しく、テルコは嬉しさがこみ上げる。朝まで飲み明かした2人は、そのままマモルの部屋へ。その日以降、まるで仲のいい恋人同士のような甘い時間がスタートする。ほぼ毎日のように連絡をくれるマモルに、もちろん100%会いにいくテルコ。終電がなくなれば当たり前のようにマモルの部屋に泊まったし、マモルに誘われれば平日の朝から何のためらいもなく会社をさぼって動物園に行く。その結果……テルコはあっさり会社をクビになった。それでも全くノーダメージなテルコを、葉子は心底呆れながらも心配する。
だが幸せなテルコの時間は唐突に終わりを迎えた。深夜にマモルが制止するのも聞かず、「ついでだから」とビールを買いに行こうとするテルコ。
「遠慮とか気遣いとかしないでいいから、私に関しては」
背中に刺さるマモルの視線に気付かないフリをしながら、そう言うのが精一杯だった。
だが翌朝のマモルは別人のように冷たく、明らかに怒っていた。追い立てられるように部屋を出され、それきりマモルからの連絡は途絶えてしまう。
それから3か月。季節は春にかわり、マモルへの思いを引きずりながらもなんとか就活を始めるテルコ。しかしまさにその面接中に、マモルからの着信が。「やっぱやめます!」と、決まりかかった面接を蹴り、一切の躊躇なくマモルの元へ向かうテルコ。
しかし久しぶりに会うマモルの横には、知らない女=塚越すみれ(江口のりこ)がいた。個性的な服装をしタバコをすぱすぱ吸うこの女のことを、どうやらマモルは好きらしいと気付いたテルコは、思いつくまますみれのことを口汚くディすりながら一人寂しく帰途につくのだった。
マモルとの連絡は再び途絶えるかに思えたが、なぜかすみれはテルコのことを気に入り、その日以降マモルよりもテルコのことを頻繁に呼び出すようになる。マモルに会いたいテルコは、すみれを口実にマモルを呼び出す。奇妙な三角関係が始まる中、テルコはマモルと再び体を重ねるがうまくいかない。マモルはそこで初めて本音を口にした。
「ていうかさ、好きになるようなところなんてないじゃん、って話なんですけど」
「そうだよねぇ。私もそう思う。好きになるようなとこ、ないはずなのにねぇ。変だよね」
言葉とは裏腹にますますマモルへの想いが募る中、すみれの発案でマモルの友人の別荘に1泊旅行に行くことになるテルコ。葉子を誘うがむげに断られ、かわりに葉子の鶴の一声でナカハラが同行することに。
テルコ、マモル、葉子、ナカハラ、すみれ。複雑にねじれ続ける5人の男女の想いの行方は、予想もしない方向に走り始める――。
【出演】
岸井ゆきの
成田 凌
深川麻衣
若葉竜也
穂志もえか
中島 歩
片岡礼子
筒井真理子
江口のりこ
【監督】
今泉力哉
【原作】
角田光代「愛がなんだ」(角川文庫刊)
【脚本】
澤井香織
今泉力哉
【音楽】
ゲイリー芦屋
【撮影】
岩永 洋
【照明】
加藤大輝
【録音】
根本飛鳥
【美術】
禪洲幸久
【装飾】
うてなまさたか
【スタイリスト】
馬場恭子
【ヘアメイク】
寺沢ルミ
【編集】
佐藤 崇
【助監督】
八神隆治
【制作担当】
柴野淳
【企画協力】
KADOKAWA
【企画・制作・プロデュース】
アニモプロデュース
【制作プロダクション】
アンリコ
【製作】
映画「愛がなんだ」製作委員会
【配給】
エレファントハウス
登壇ゲスト情報(予定)
深川麻衣さん
若葉竜也さん